短い小説1
私が小さい頃に母親は癌で亡くなった。
父親が母親代わりになってくれて私を育ててくれた。
そんな父親を私は嫌になっていた。
反抗期だったかもしれない。
毎朝、苦手な料理をして朝食を作ってくれたが食べずにお弁当も持っていかずに高校に通っていた。
それでも父親は毎朝作ってくれた。
るか「いい加減にしてよ!毎朝毎朝、朝食、お弁当作らないでいいんだから!私は食べないから!」
父親「そうか…。すまなかった。」
言い過ぎてしまい、そのまま学校へ行った。
帰ってくると、置き手紙と料理がラップしてあった。
手紙にはこう書かれていた。
るかへ。
いつもすまない。
母さんの代わりにならない父さんを許してくれ。
少しでも母さんの味に近づけたくて努力したが、父さんには無理だった。
今日は仕事で遅くなるから、先にご飯を食べててくれ。
父より。
ラップを外すと、少しだけ焦げた、トンカツがあった。
るか「トンカツ?そういえば、お母さんの得意料理の一つだったな。」
私は、トンカツをレンジで温めて、ゆっくり食べた。
カレンダーを見ると今日は、お父さんの誕生日だった。
るか「そういえば、照れくさくて毎年準備はしたけど渡せなかったプレゼントたくさんあったな。今日も買ったけど。この機会だから、渡そうかな。」
ご飯を食べて食器を洗い、自分の部屋に戻りプレゼントを準備して、手紙を書いてテーブルに置いた。
深夜の0時になり父さんが帰って来た。
私は就寝。
電気を着けるとたくさんのプレゼントと、手紙があった。
鍵を閉めてプレゼントを一つずつ開封した。
父「ハンカチだらけだな。」
手紙を読んだ。
父さんへ。
毎年父さんの誕生日に照れくさくて渡せなかったプレゼント達です。
お母さんが亡くなって、るかがお母さんが代わりになろうと必死だった。
けど、父さんがお母さんの代わりになった。
いつも忙しいのに家事をしたり大変なのに上手く言葉にして感謝出来ず、手伝いも出来ずに、ごめんなさい。
いつもありがとう。
るかより
お父さんは涙を流した。
次の日。
学校も仕事も休日の日。
今日から桜が満開とテレビでやっていたのを思い出して朝早く起きて、父さんはお弁当を作っていた。
台所がうるさくて、るかも起きた。
台所で父さんがお弁当を作ってるのを見て台所へ来た。
るか「おはよう。何してるの?」
父「おはよう!るか!昨日は誕生日プレゼントありがとうな、ハンカチ大切に使う。今日から桜が満開なんだ!花見をしたくてな。でも、るかは興味ないよな…。」
料理を作る手を止めた。
るかはニコッと笑って卵焼きを作り出した。
るか「早く作って場所取りしないと!お父さんは、おにぎりね?」
父「あぁ!」
二人は仲良くお弁当を作って近くに咲いている桜の木の下にシートをひいて、桜を見ながらお弁当を食べた。
るか「お父さん、これからは私も家事手伝いたい。お父さん1人に負担かけさせたくない!」
父「るか…。ありがとう!助かるよ。」
やっと言えた言葉。
その後、二人で家事を分担して楽しく過ごしました。