短い小説3
「行ってきます!」
そう言って家を出た私。
花が大好きでいつも朝早く家を出て学校に花を持っていくのが習慣になっていた。
徒歩で学校まで5分という近さ。
まず学校に着いたら花壇に水やりを全部にした。
そして教室に入り鞄を置いて小さなじょうろに水を入れて、花瓶に入っている水を捨てて、入ってた花は新聞紙に置いて花瓶の中を洗い水を入れ新しい花を入れた。
枯れた花は袋に入れて縛って花専用のゴミ箱を先生が持ってきたみたいで、それに入れた。
花に水をかけていると誰かが入ってきた。
安西「おはよう!おっ!立花か?」
立花「ん?うん。おはよう。」
安西「お前毎朝、花に水あげてるよな?飽きないのか?」
立花「花見てると落ち着くから。そういう安西君は何で毎朝早く来てるの?」
安西「えっ?べ…別に気分で来てるだけだよ!」
私は毎朝、安西君と短いけどこんな会話をするのも楽しみの一つなんだ。
生徒がたくさん来て私は席に着いた。
みか「おはよう!あずさ、今日も朝早く来たの?」
あずさ「うん。習慣になっちゃって。」
りか「早起きはいい事だけど、無理はしないでね?」
あずさ「ありがとう!」
友達との会話も好き。
そして担任の先生が来た。
先生「おはよう!」
生徒「おはようございます!」
先生「今日は委員会決めを1時間目にするから、各自考えるように。」
生徒「はい!」
ホームルームが終わり、委員会の紙が配われた。
みんなそれぞれ考えた。
ちなみに安西君は、女子からも男子からも人気なので、みんな安西君と同じ委員会に入りたいと思う。
私は花委員会にしようかと思っていた。
1時間目が始まった。
やりたい委員会を手を上げながら決めていった。
先生は黒板に書いていった。
先生「次は花委員会だが、1人先生が推薦する!立花どうだ?やってみないか?」
席から立った。
立花「はい!やります!」
先生「よし!決まりだな!」
黒板に書いた。
先生「女子は決まったから男子はいないか?」
すると安西君が手を上げた。
安西「やりたいです!毎朝早く起きるのは慣れてるので!」
みんなザワザワした。
先生「静かに!いいのか?」
安西「はい!」
先生「じゃ花委員会は立花と安西に決まりな!」
黒板に書いた。
着々と委員会が決まっていった。
先生「明日の放課後、委員会での話し合いがあるみたいだから行くように!花委員会は、毎朝花壇の水やり、教室の花の手入れをするように!以上。」
チャイムが鳴って休み時間になった。
女子達が私の席に集まった。
女子A「花委員会、私と交代してよ!」
女子B「私と交代して!」
立花「決まった事だし…。私は花が好きでなった訳だし。」
女子C「私も花が好きよ?だから交代してよ!」
この会話が続いた。
安西君が来た。
安西「決まった事をぐずぐず言うやつは嫌いだ!それに遅刻せずに毎朝5時に学校に来れる自信があるのか?」
女子A「それは…。」
女子B「安西君、私なら出来るよ!」
女子C「わたしだって!」
二人が言った。
安西「なら明日から1週間。遅刻しないなら、もう一度先生と話してやるよ!一度でも遅刻したら、もう立花に交代してとか言うなよ!」
二人は頷いた。
そして次の日。
私は新しい花を持って一番に教室に入った。
次に安西君が来た。
安西「おはよう!手伝うよ!」
二人で花の手入れをした。
5時、6時が過ぎてから二人は来た。
もう既に花の手入れは終わっていたのに、花に水やりをしていた。
私はとっさにやめるように言った。
立花「この花は水をやり過ぎると枯れてしまうから、もう水やりは止めて?」
女子B「うるさい!」
女子C「私だってちゃんと水やり出来るんだから!」
立花を突き飛ばした。
友達と安西君が来た。
みか「なにするのよ!」
りか「最低ね!」
安西「遅刻したよな?もう口出しはやめてもらおうか?」
女子B「でもでも…。」
女子C「だって花委員会に…。」
安西君は二人を睨んだ。
それに怯んで二人は席に着いた。
安西「大丈夫か?立てるか?」
立花「私は大丈夫!」
安西君の手を握って立った。
席に着いて先生が来たからホームルームを始めた。
そしてその日の放課後。
委員会へ二人は行った。
先輩や後輩は優しい人ばかりで色々と教えてくれた。
委員会が終わり安西君は先輩に呼び出されて私は先に教室へ戻った。
教室にはさっきの女子二人がいた。
女子A「いい気になるなよ!」
女子B「委員会より、私達は安西君が狙いなの!委員会はいいとして毎朝の花の水やりくらい私達にやらせてよ!」
立花「でもこれは委員会の役割だし。」
二人は怒って花瓶の水を私にかけて花を床に投げ捨てて踏んだ。
安西君が教室に帰ってきてその光景を見た。
安西「なにしてんだよ!」
女子A「この女が悪い!」
女子B「私はただ…安西君の事が好きなだけなのよ。」
安西君は持っていたハンカチで私を拭いた。
安西「俺が好きなのは立花だ!お前達じゃない!」
二人は泣いた。
安西君は自分の鞄と私の鞄を持って、私をお姫様抱っこをして帰って行った。
立花「安西君?」
安西「ほ…本当の事だから。」
顔を赤くしていた。
立花「あ…ありがとう。」
安西「えっ?」
立花「好きって言ってくれて嬉しかったから。」
安西「それって…。」
立花「私で良ければよろしくお願いします。」
安西君は私を下ろしてギュッと抱き締めた。
立花「苦しいよ…。」
安西「あっ!わりぃ。」
すぐに離した。
立花「そういえば先輩との話長かったね?」
安西「告白されたんだ。だけど、好きな人いるからって言ったらなんか泣かれたから慰めてたんだ。それでようやく分かったみたいで。」
立花「なるほどね。」
安西「俺が毎朝早く来てるのは1分1秒でも、立花を見ていたかったんだ。」
私は急に恥ずかしくなりうつむいた。
安西「これからもよろしくな?」
立花「うん。」
二人は仲良く帰った。
そして次の日から二人は朝早く一緒に登校した。
すぐに二人は付き合ってる噂が流れて落胆する女子、諦めない女子と分かれたが、安西君が私に何かしたら倍返しにすると言ってくれた。
本当は私も最初から、安西君の事が好きだった。